自動車保険の等級とは|1〜20等級の仕組みをやさしく解説

保険証券と階段状のグラフが並び、自動車保険の等級の仕組みを解説する記事のアイキャッチ

当サイトは日本損害保険協会・損害保険料率算出機構・国土交通省・金融庁など公的機関や業界団体の公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。特定の保険会社・保険商品を勧めるものではありません。補償の内容・特約・保険料・等級の扱い・手続きは保険会社や契約によって異なり、制度は改定されることがあります。実際の補償や条件は、ご契約の保険会社・代理店の約款や重要事項説明書で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

更新の案内に「次契約 15等級」などと書かれていて、『この数字、結局なにを表しているんだろう』と思ったことはありませんか。

結論から言うと、自動車保険の等級は「これまでの事故の有無で決まる、保険料の割引・割増のランク」です。数字が大きいほど割引が大きく、事故で保険を使うと下がります。

この記事を読むと、等級が上がる・下がる・引き継ぐの3つの動きと、自分の等級を確かめる順番が分かります。

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目次

自動車保険の等級とは?まず押さえたい3つのこと

先に結論

自動車保険の等級は1〜20等級に分かれていて、初めて契約すると6等級から始まります。1年間事故がなければ1等級上がり、保険金を受け取る事故があると下がります。等級が高いほど保険料の割引が大きくなる仕組みです。

『車の等級って、車の値段や大きさのランクのこと?』と勘違いしやすいですよね。

実は、自動車保険の等級は車ではなく「契約の事故の歴史」についているものなんです。同じ車でも、契約している人の事故の有無で等級は変わります。

まずは確かめる順番を決めておきましょう。

自分の等級を確かめる順番
  1. 保険証券か更新案内を出して、今の等級と満期日を見る
  2. 「事故有係数適用期間」の欄があれば、その年数も見る
  3. 次の契約の等級(次契約等級)が書かれていれば確かめる
  4. 分からない表記があれば、保険会社か代理店に聞く
自動車保険の等級が上がる・下がる・引き継ぐの3つの動きをまとめた図解

車保険の等級と、車そのものの「ランク」は別もの

ここで混同しやすいのが、車の型式ごとのランクです。

車保険の保険料は、等級のほかに「型式別料率クラス」という車ごとの区分でも変わります。これは車の型式ごとの事故の実績で決まるもので、等級とは別の物差しです。

名前何についている?何で決まる?
ノンフリート等級契約(人と車の組み合わせ)前の年の事故の有無
型式別料率クラス車の型式その型式全体の事故の実績
年齢条件契約補償する運転者の年齢の範囲

型式別料率クラスについては料率クラスとは|車ごとに保険料が変わる仕組みでくわしく紹介しています。

任意保険の等級は「自賠責」にはない

等級の仕組みがあるのは、自分で入る任意保険のほうです。

車検の時に入る自賠責保険には、この等級の仕組みはありません。任意保険の等級、自動車任意保険の等級と書かれていても、指しているものは同じです。

ノンフリート等級とは?等級制度の基本

ここが大事なところです

ノンフリート等級とは、持っている車が9台以下の人の契約に使われる等級の仕組みです。個人で車を持っている人のほとんどは、このノンフリート等級制度の対象になります。

『ノンフリートって何?』と、言葉で引っかかる方も多いはずです。

フリートは「車の集まり」のような意味で、10台以上をまとめて契約するのがフリート契約です。反対に9台以下がノンフリート契約で、こちらは1台ごとに過去の事故歴で割引・割増が決まります。

区分台数の目安割引・割増の決まり方
ノンフリート契約持っている車が9台以下1台ごとの過去の事故歴(等級)
フリート契約10台以上契約者の全部の車の保険料と保険金の割合

会社でたくさんの車を持つ場合の話はフリート契約とは|ノンフリート等級との違いと10台の基準にまとめています。

自動車保険の等級の仕組みは「事故の有無を翌年に反映」

自動車保険のノンフリート等級とは、前の年の契約で事故があったかどうかを、翌年の保険料に反映させる仕組みです。

事故がなかった人の保険料は少しずつ安く、事故で保険を使った人の保険料は高くなります。事故の少ない人と多い人の保険料のバランスをとるための制度なんですね。

7等級からは「無事故」「事故有」の2本立て

もう一つ覚えておきたいのが、同じ等級でも割引率が2種類ある点です。

損害保険料率算出機構の説明では、1〜6等級は「無事故」「事故有」で差を設けていません。7〜20等級は、同じ等級でも事故の有無でリスクが違うため、2つに分けています。

補足

「事故有」の割引率がどのくらいの期間続くかは、「事故有係数適用期間」という年数で決まります。3等級下がる事故なら3年、1等級下がる事故なら1年が目安で、上限は6年です。

保険料は等級だけで決まるわけではない

等級が同じでも、人によって保険料が違うのはなぜでしょうか。

損害保険料率算出機構の参考純率では、保険料を分ける区分として次のようなものが挙げられています。実際の区分は保険会社によって違います。

  • 用途・車種(自家用の普通車・軽自動車など)
  • ノンフリートかフリートか
  • 型式別料率クラス(自動ブレーキの有無や新車からの期間も含む)
  • 保険金額などの補償の中身
  • 年齢条件
  • ノンフリート等級
  • 運転者の限定

つまり、等級は保険料を決めるいくつかの物差しの一つなんです。等級が上がったのに保険料が下がらない年がある理由も、ここにあります。

1〜20等級の割引率はどのくらい違う?

先に結論

参考純率の例では、1等級は大きな割増、20等級(無事故)は大きな割引になっています。ただし、実際の割引率は保険会社・商品によって違います。下の表は「目安の形」をつかむために見てください。

『自分の等級だと、どのくらい安くなっているの?』と気になりますよね。

日本損害保険協会が「例」として載せている割増引率を、いくつかの等級だけ抜き出してみます。もとは損害保険料率算出機構の参考純率で、2021年の改定後の値です。

等級無事故の場合事故有の場合
1等級108%割増区分なし
3等級38%割増区分なし
6等級13%割引区分なし
7等級27%割引14%割引
10等級46%割引19%割引
15等級53%割引28%割引
20等級63%割引51%割引

この表を見ると、1〜5等級あたりは割引どころか割増になっているのが分かります。こうした低い等級は「デメリット等級」と呼ばれることもあります。

よくある勘違い

「20等級ならどこでも63%引き」と考えるのは早合点です。参考純率は保険会社に使う義務のない参考値で、その後の改定で等級別の値が変わったかどうかは公表資料の表では確かめられていません。自分の割引率は保険証券や見積もりで確かめてください。

全部の等級の一覧は等級別の割引率一覧|事故有・無事故で何%違う?にまとめています。

等級が高い人はどのくらいいる?

自動車保険の等級は、長く無事故で続けている人ほど高くなります。

損害保険料率算出機構の資料では、ノンフリート契約全体で最も割引の大きい20等級の割合は5割を超え、増えている傾向にあります(対人賠償責任保険の場合)。

軽自動車でも等級の仕組みは同じ

軽自動車の保険でも、等級の考え方は普通車と変わりません。

違いが出るのは型式別料率クラスのほうです。普通・小型乗用車は17クラス、軽四輪乗用車は7クラスに分かれています。

軽四輪乗用車のクラスは、2025年1月から3クラスから7クラスに増えました。クラスは毎年見直されるので、自分が事故を起こしていなくても、クラスが上がって保険料が高くなることがあります。

『軽だから保険料は安いはず』と思っていても、等級とクラスの両方で決まると覚えておくと、更新案内の金額の変化にも落ち着いて向き合えますよ。

等級は「上がる・下がる・引き継ぐ」の3つの動きで見る

ここからが、この記事でいちばん伝えたいところです。

等級の話は細かく見ると複雑ですが、動きは3つしかありません。この3つで頭の中を整理すると、更新案内の数字がぐっと読みやすくなりますよ。

動きどんな時に起こる?等級の変化確かめる書類
上がる1年間、保険を使う事故がなかった翌年1等級アップ(上限は20等級)更新案内
下がる(3等級)対人・対物などで保険金を受け取った1事故につき3等級ダウン事故後の案内・証券
下がる(1等級)盗難・台風・洪水などで車両保険を使った1事故につき1等級ダウン事故後の案内・証券
変わらないノーカウント事故(人身傷害保険だけ等)事故がなかった扱いで1等級アップの場合あり保険会社に確認
引き継ぐ継続・保険会社の変更・車の入替・中断前の契約の等級を持ち越す証券・中断証明書
等級が上がる・下がる・変わらない場面を事故の種類ごとに並べた図解

上がる:1年無事故で1等級ずつ

1年間、保険を使う事故がなければ、次の契約で1等級上がります。

例えば、18等級で1年無事故なら翌年は19等級です。6等級から20等級までは、無事故なら14年かかる計算になります。

上がり方の細かい話は等級の上がり方|毎年1等級ずつ・20等級になるまでの年数でくわしく紹介しています。

下がる:3等級ダウンと1等級ダウン

保険金を受け取る事故は、1件につき3等級下がるのが基本です。18等級で事故1件・保険金を受け取ると、翌年は15等級になります。

盗難や台風・洪水・高潮などで車両保険を使った場合は「1等級ダウン事故」として、1事故につき1等級下がります。

下がる前に考えておきたいこと
  • 保険を使うと何等級下がる事故かを保険会社に聞く
  • 事故有の割引率が何年続くかを確かめる
  • 保険を使った時と使わない時の保険料の差を見積もってもらう
  • 修理費の見積もりと比べて、使うかどうかを決める

例えばこんな場面:20等級で事故を起こして保険を使ったら

20等級(無事故)の人が、対物の事故で保険金を受け取った場合を考えてみます。

翌年は3等級下がって17等級になり、3年間は「事故有」の割引率になります。その後、無事故が続けばこんなふうに戻っていきます。

時期等級割引率の区分
事故の翌年17等級事故有(残り3年)
2年目18等級事故有(残り2年)
3年目19等級事故有(残り1年)
4年目20等級無事故

参考純率の例で言うと、17等級の事故有は44%割引で、20等級の無事故の63%割引と比べると差が大きいことが分かります。保険を使うかどうか迷う時は、この3年分の差を保険会社に見積もってもらうと判断しやすくなります。

くわしい計算のしかたは保険を使う・使わないの計算|等級ダウン後の3年間で比べるで紹介しています。

引き継ぐ:等級は契約を変えても持ち越せる

満期に継続すれば、前の契約の等級はそのまま引き継がれます。

保険会社を変える時も、保険会社どうしで等級を確かめ合う「等級情報交換制度」があります。良い等級だけでなく、低い等級も引き継がれる仕組みです。

等級の引継ぎで失敗しやすいのはどんな時?

先に結論

等級が引き継げなくなりやすいのは、更新忘れで満期から一定の期間が過ぎた時と、車を手放して何も手続きをしなかった時です。この2つを避けるだけで、育てた等級を守りやすくなります。

『うっかり更新を忘れたら、等級はどうなるの?』と不安になりますよね。

日本損害保険協会の説明では、満期日から一定の期間を過ぎても継続の手続きをしないと、新しい契約の扱いになり、等級アップの割引が受けられなくなります。何日までなら間に合うかは保険会社によって違うので、気づいたらすぐ連絡してみてください。

自動車保険の更新忘れで等級を落とさないために

更新忘れを防ぐ方法として、自動継続の特約を用意している保険会社もあります。

満期日をスマホのカレンダーに入れておくだけでも、うっかりはかなり減らせますよ。

よくある失敗

車を売ったあと、保険を解約しただけで中断証明書を取らなかったケースです。あとで車を買い直した時に、前の等級を使えなくなることがあります。

保険会社を変える時の等級

保険会社を変えても、等級は引き継げるのが一般的です。

ただし、満期日と新しい契約の始まる日の間に空白ができると、引き継げなくなることがあります。くわしくは保険会社を変えても等級は引き継げる?条件と注意点を見てみてください。

家族への引継ぎは保険会社に確認

記名被保険者を配偶者や同居の家族に変えて等級を引き継げるかどうかは、公的な資料ではっきり書かれていません。

家族間で等級を引き継ぎたい時は、条件を保険会社に確かめてから手続きしましょう。

よくある相談:等級についての疑問に答えます

知恵袋などでよく見かける、等級についての相談をいくつか取り上げます。内容は要約しています。

相談1:等級が低いので、一度やめて新しく入り直したい

『等級が1等級まで下がったので、解約して「前に保険に入っていない」と言って新しく入り直せば6等級から始められるのでは』という相談です。

結論から言うと、おすすめできません。保険会社どうしには、低い等級の契約を確かめ合う「1〜5等級・割増料率適用対象契約情報交換制度」があり、前の年度に契約が無いという申し出についても確認する仕組みになっています。

申込みの時に事実と違うことを書くと、告知の問題になるおそれもあります。低い等級から上げるには、無事故で1年ずつ積み上げるのが基本です。

相談2:子どもに等級を譲ったら、自分はどこから始まる?

「子どもに等級を譲ったので、自分は最初から入り直し。2台目のような安い始め方はある?」という相談です。

新しく入る契約は、通常6等級から始まります。2台目以降の車で一定の条件を満たす場合は、7等級から始められることがあります。

家族間で等級を移せるか、移したあとの自分の契約がどうなるかは保険会社によって違います。手続きの前に、両方の契約の見積もりを出してもらうと安心です。

相談3:等級は保険会社ごとに違う?

「保険会社を変えたら、等級は数え直しになるの?」という相談もよくあります。

等級の仕組みは保険会社をまたいで使われていて、保険会社を変えても引き継がれるのが一般的です。ただし、割引率そのものは保険会社・商品によって違います。

相談の前に用意しておくもの
  • 今の保険証券(等級・満期日・証券番号が分かるもの)
  • 事故があればその時期と、保険を使ったかどうか
  • 家族の契約の等級(引継ぎや2台目を考える時)

今の車を手放すなら、等級はどうする?

先に結論

車を売る・手放す時は、保険を「解約する」「中断証明書を取る」「次の車に入れ替える」のどれにするかを先に決めておくと、育てた等級をむだにしません。

『車を手放したら、等級は消えてしまうの?』と心配になりますよね。

乗り換えるなら車両入替、しばらく車に乗らないなら中断証明書という選び方が基本です。中断証明書は一般的に、7等級以上なら最長10年まで等級を残せると説明されていますが、条件は保険会社によって違います。

手放したあと保険の手続き等級
すぐ次の車に乗る車両入替そのまま引き継ぐ
しばらく乗らない解約して中断証明書をもらう一定期間残せる(保険会社による)
もう乗らない解約残らない
車を手放す時の解約・中断証明書・車両入替の選び方の図解

車両保険の保険料が、車の今の値段につり合わなくなってきたのをきっかけに、乗り換えを考える人もいます。全損や水没のような時は、修理するか手放すかを比べることになります。

手放す時は、下取りだけでなく買取店の査定額も見てみてください。複数の店の査定額を比べると、今の車の相場が分かります。

古い車や走行距離の多い車でも、値段がつくことがあります。名義変更の手続きはお店が代わりに進めることが多いですが、進め方は店ごとに違うので確かめておきましょう。

手放す時の保険の選び方は車を売ったら自動車保険はどうする?解約・中断・入替の選び方で順番に紹介しています。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。

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よくある質問

自動車保険は何等級まである?

参考純率の区分では1〜20等級です。初めて契約すると6等級から始まり、無事故なら1年ごとに1等級ずつ上がります。

自動車保険の等級の階級はどこで確かめられる?

保険証券や更新案内に書かれています。手元に無い時は、保険会社のマイページや代理店で確かめられます。

等級なしの自動車保険はある?

自賠責保険には等級の仕組みがありません。任意保険のノンフリート契約では、等級で割引・割増が決まるのが基本です。

等級が上がったのに保険料が上がったのはなぜ?

型式別料率クラスの見直しや、保険会社の保険料の改定、補償の中身の変更などが重なると、等級が上がっても保険料が上がることがあります。更新案内で前の年との違いを見比べてみてください。

軽自動車の保険の等級は普通車と違う?

等級の仕組みは同じです。軽自動車と普通車で違うのは型式別料率クラスの区分の数などで、保険料はほかの条件も合わせて決まります。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車保険の等級は1〜20等級で、初めての契約は6等級から
  • 1年無事故で1等級上がり、保険金を受け取る事故で3等級または1等級下がる
  • 割引率は参考純率の例で、実際は保険会社・商品によって違う
  • 保険会社を変えても等級は引き継げるのが一般的。更新忘れと空白期間に気をつける
  • 車を手放す時は解約・中断証明書・車両入替のどれにするかを先に決める

自動車保険の全体像は自動車保険とは|任意保険の補償と選び方をやさしく解説で紹介しています。

自動車保険ナビ

自動車保険ナビ 編集部

自動車保険(任意保険)の補償と特約、等級の仕組み、保険料の決まり方、見積もりと乗り換え、事故の時の流れ、車を買い替える・売る・手放す時の保険の扱いまで、公的機関や業界団体の公開情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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