自動車保険の免責とは?車両保険の自己負担の決め方

乗用車と盾のマーク・財布・見積書が並び、自動車保険の免責金額を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトは日本損害保険協会・損害保険料率算出機構・国土交通省・金融庁など公的機関や業界団体の公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。特定の保険会社・保険商品を勧めるものではありません。補償の内容・特約・保険料・等級の扱い・手続きは保険会社や契約によって異なり、制度は改定されることがあります。実際の補償や条件は、ご契約の保険会社・代理店の約款や重要事項説明書で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

事故のあとに保険会社から『免責金額があるので、その分は自己負担です』と言われて、『免責って何?保険に入っているのに払うの?』と戸惑っていませんか。

結論から言うと、自動車保険の免責金額とは、車両保険などで保険金を受け取る時に自分で負担する金額のことです。免責金額を高くすると保険料は割安になり、その代わり事故の時の自己負担が増えます。

この記事では、免責の意味から、免責金額ごとの保険料と自己負担の変わり方、自分に合う決め方まで紹介します。

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目次

自動車保険の免責とは?2つの意味を分けて知る

先に結論

自動車保険で「免責」という言葉は、主に2つの意味で使われます。1つは「免責金額(自己負担額)」、もう1つは「保険金が支払われない場合」です。保険会社から言われた「免責」がどちらの意味かを、まず確かめてみてください。

『免責』という言葉、なんだか難しく聞こえますよね。

もとは「責任を免れる」という意味で、保険会社が支払う責任を免除される部分、というイメージです。

使われ方意味例
免責金額(自己負担額)保険金から差し引かれ、自分で負担する金額車両保険で修理費から差し引かれる額
保険金が支払われない場合約款で決められた、保険金が出ない場合故意・重大な過失、地震・噴火・津波など

この記事では、主に1つめの「免責金額」について紹介します。

自動車保険の免責金額とは

免責金額とは、保険金を受け取る時に、損害額から差し引かれて自分で負担する金額のことです。契約の時に、自分で金額を選んで決めます。

車両保険で修理する時は、修理費から免責金額などを差し引いた額が保険金として支払われます。

損害の状態支払われる金額
修理費が協定保険価額より少ない(修理)修理費から免責金額などを引いた額
修理できない・修理費が協定保険価額以上(全損)協定保険価額(免責金額は引かない)

全損の時は免責金額が差し引かれない、という点は覚えておきたいところです。

電話で保険会社と話す時は、こんなふうに聞いてみると分かりやすいですよ。

「今回の修理で、免責金額を引いた保険金はいくらになりますか」
「修理費から契約の免責金額を差し引いた額をお支払いします。見積もりが出たらお知らせしますね」

免責金額が修理の時に差し引かれ、全損の時は差し引かれない仕組みの図解

対物賠償に免責金額を付けた場合

車両保険だけでなく、対物賠償に免責金額を設定できる契約もあります。

この場合、差し引かれた分は、事故を起こした本人が自分で相手に賠償することになります。相手に払う分を自分で用意する必要があるので、設定する前によく考えておきましょう。

免責金額ごとに保険料と自己負担はどう変わる?

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

免責金額は「保険料を抑えるか」「事故の時の出費を抑えるか」のバランスで決まります。

免責金額の設定保険料修理の時の自己負担向いている人
なし(ゼロ)高め小さい小さな修理でも保険を使いたい人
低め中くらい少しある出費と保険料のバランスを取りたい人
高め割安大きい小さな修理は自分で払える人

『免責をゼロにしておけば安心』と考える方も多いですよね。

ただ、保険を使うと等級が下がり、翌年以降の保険料が上がります。小さな修理では、そもそも保険を使わない人も多いんです。

修理費が免責金額より少ないと保険金は出ない

修理費が免責金額より少ない場合、修理費から免責金額を引くとゼロ以下になるので、保険金は支払われません。

『保険に入っているのに、1円も出ないの?』と驚く方もいます。免責金額は、この「小さな修理は自分で払う」という前提で保険料を割安にする仕組みなんです。

少額の修理なら使わない選択もある

日本損害保険協会も、少額の保険金を請求すると、翌年以降の保険料の増加額の方が大きくなる場合があると説明しています。

保険を使うか迷った時に比べること
  • 修理費から免責金額を引いた、受け取れる保険金の額
  • 保険を使った場合と使わない場合の、翌年以降の保険料の差
  • 事故で下がる等級(1事故につき3等級、または1等級)
  • 下がった等級が「事故有」として扱われる期間

等級が下がる期間も考えに入れる

保険を使った時の負担は、免責金額だけではありません。等級が下がり、しばらく割引が小さくなる分も負担になります。

事故の種類等級の下がり方「事故有」の割引率がかかる期間
衝突・単独事故などで保険を使った1事故につき3等級ダウン3年間
盗難・台風・洪水などで車両保険を使った1事故につき1等級ダウン1年間

例えば参考純率の例では、20等級の割引率は無事故で63%、事故有で51%とされています。実際の割引率は保険会社によって違いますが、同じ等級でも事故有の方が割引が小さくなる仕組みです。

免責金額を低くして保険を使いやすくしても、こうした負担があることは知っておきましょう。

使うか使わないかの計算は保険を使う・使わないの計算|等級ダウン後の3年間で比べるで紹介しています。

車両保険の免責金額のおすすめの決め方

免責金額のおすすめは、人によって違います。

大切なのは、「事故の時に、この金額なら自分で払えるか」を基準に考えることです。

免責金額の決め方
  1. 急な出費として、いくらまでなら無理なく払えるかを考える
  2. 免責金額を変えた見積もりを2〜3通り出して、保険料を比べる
  3. 保険料の差と、事故の時の自己負担の差を並べる
  4. 車の値段や乗り方(毎日乗るか)も合わせて決める

見積もりを取る時は、担当者にこう伝えるとスムーズです。

「免責金額を変えた場合の保険料を、いくつか並べて見せてもらえますか」
「承知しました。設定ごとの保険料を比べられるようにお出しします」

ケース別の考え方の例

『自分の場合はどうなの?』と迷う方のために、よくある状況で考え方を並べておきます。

状況免責金額の考え方
新しい車でローンが残っている修理費が高くなりやすいので、低めにして出費を抑える人が多い
毎日の通勤や仕事で車を使うすぐ直す必要があるので、払える範囲で低めを考える
貯金に余裕がある小さな修理は自分で払う前提で、高めにして保険料を抑える
車の値段が下がってきた車両保険そのものを続けるかも含めて見直す

どの場合も、最後は見積もりで保険料の差を確かめてから決めるのが安心です。

選べる組み合わせは保険会社によって違う

保険会社によっては、1回目の事故と2回目以降の事故で免責金額を分けたり、相手の車がある事故では扱いを変えたりする設定を用意しています。

どんな組み合わせを選べるかは保険会社や商品によって違います。見積もりの時に、選べる設定を一通り見せてもらうのがおすすめです。

こんな人は免責金額を見直したい

免責金額を低めにしたい人
  • 貯金が少なく、急な出費が苦しい人
  • 新しい車で、修理費が高くなりやすい人
  • 車がないと仕事や生活に困る人
免責金額を高めにしてもよい人
  • 小さな修理は自分で払える人
  • 保険料を少しでも抑えたい人
  • 車の値段が下がってきた人

車の値段が下がってきた時の考え方は軽自動車に車両保険は必要?保険料とのつり合いでも紹介しています。

免責金額の消費税や勘定科目はどう考える?

ここでは、免責金額にまつわる細かい疑問を見ておきましょう。

自動車保険の免責に消費税はかかる?

免責金額は、修理費から差し引かれる自己負担の部分です。

修理費の請求が税込みか、免責金額をどう差し引いて計算するかは、保険会社の計算や修理工場の請求のしかたによって違います。気になる時は、保険金の支払いの明細と修理の請求書を見比べて、保険会社に確かめてみてください。

自動車保険の免責の勘定科目は?

個人事業で車を使っている方は、自分で払った免責金額をどう帳簿につけるか迷いますよね。

勘定科目の名前は法律で決まっているわけではありません。国税庁の決算書の例では、自動車の修理代は「修繕費」、自動車の保険料は「損害保険料」とされています。

支払い国税庁の決算書の例
自分で払った修理代(免責金額の分など)修繕費
自動車保険の保険料損害保険料

家事と兼用の車なら、業務に使った分を取引の記録などではっきり分けられる部分だけが必要経費になります。くわしくは自動車保険は経費になる?個人事業主の勘定科目と仕訳で紹介しています。

よくある相談:自動車保険の免責で迷う声

ここでは、知恵袋に寄せられている自動車保険の免責にまつわる相談から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 自損事故で「免責分は自己負担」と言われた。免責って何?

自損事故を起こしたら、保険会社から免責金額の分は自己負担になると言われ、意味が分からないという相談です。

免責金額は、契約の時に自分で決めた自己負担の額です。修理費からこの金額が差し引かれて、残りが保険金として支払われます。

保険証券に免責金額が書かれているので、一度確かめてみてください。

相談2 修理費が免責金額より少ない時はどうなる?

免責金額を設定していて、修理費がそれより少なくなったという相談です。

この場合、修理費から免責金額を引くとゼロ以下になるので、保険金は支払われません。修理費は自分で払うことになりますが、保険を使わないので等級は下がりません。

相談3 自分の過失がゼロなら、免責金額は払わなくていい?

自分にまったく過失がない事故なら、相手の保険から全額払われるので免責金額は関係ないのでは、という相談です。

自分の過失がゼロの事故で、相手の対物賠償から賠償を受ける場合は、自分の車両保険を使わないので、自分の免責金額は関係ありません。

回答のポイント

ただし、相手からの賠償は車の時価額が上限です。修理費が時価額を超える場合、差額を自分の車両保険で補うなら、その時は自分の免責金額が差し引かれます。また、過失がゼロの事故では、自分の保険会社に示談交渉を頼めない点にも注意しておきましょう。

修理費の負担が重く感じたら

免責金額の自己負担や修理費の負担をきっかけに、『この車を直すより、手放した方がいいかも』と考える方もいます。

その場合は、下取りだけでなく、買取店に売る方法もあります。古い車でも値段がつくことがあるので、先に今の車の相場を知っておくと判断しやすくなります。

手放す時は、自動車保険の解約・中断証明書・車両入替のどれにするかも決めておきましょう。くわしくは車を売ったら自動車保険はどうする?解約・中断・入替の選び方で紹介しています。

免責金額の決め方と、修理費の負担が重い時の考え方をまとめた図解

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。

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よくある質問

自動車保険の免責とは何ですか?

主に、保険金を受け取る時に自分で負担する「免責金額(自己負担額)」のことです。保険金が支払われない場合を指して「免責」と言うこともあります。

全損の時も免責金額は差し引かれますか?

全損の時は免責金額を差し引かずに支払われます。免責金額が差し引かれるのは、修理費が協定保険価額より少ない場合です。

車両保険の免責金額はいくらがおすすめですか?

人によって違います。事故の時に無理なく払える金額を基準に、免責金額を変えた見積もりを比べて決めるのがおすすめです。

免責金額をゼロにするメリットは何ですか?

修理の時に自己負担なく保険金を受け取れることです。その代わり保険料は高めになり、保険を使えば等級が下がる点は変わりません。

免責金額を高くするとどうなりますか?

保険料は割安になりますが、修理の時の自己負担が増えます。修理費が免責金額より少なければ、保険金は支払われません。

まとめ

自動車保険の免責金額とは、保険金を受け取る時に自分で負担する金額のことです。高くすれば保険料は割安に、低くすれば事故の時の出費が小さくなります。

事故の時に無理なく払える金額を基準に、見積もりを比べて決めてみてください。車両保険の保険料の考え方は車両保険の保険料はいくら?相場と高くなる条件、自動車保険全体の仕組みは自動車保険とは|任意保険の補償と選び方をやさしく解説で紹介しています。

この記事の要点
  • 免責金額は、保険金を受け取る時に自分で負担する金額
  • 修理の時は差し引かれ、全損の時は差し引かれない
  • 免責金額を高くすると保険料は割安、自己負担は増える
  • 修理費が免責金額より少なければ保険金は出ない
  • 決め方の基準は「事故の時に無理なく払える金額」
自動車保険ナビ

自動車保険ナビ 編集部

自動車保険(任意保険)の補償と特約、等級の仕組み、保険料の決まり方、見積もりと乗り換え、事故の時の流れ、車を買い替える・売る・手放す時の保険の扱いまで、公的機関や業界団体の公開情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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