当サイトは日本損害保険協会・損害保険料率算出機構・国土交通省・金融庁など公的機関や業界団体の公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。特定の保険会社・保険商品を勧めるものではありません。補償の内容・特約・保険料・等級の扱い・手続きは保険会社や契約によって異なり、制度は改定されることがあります。実際の補償や条件は、ご契約の保険会社・代理店の約款や重要事項説明書で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。
確定申告の準備で、『自動車保険の支払いって、どの勘定科目にすればいいの?』と手が止まっていませんか。
結論から言うと、国税庁の決算書の例では、自動車の保険料は「損害保険料」に入ります。ただし、プライベートでも使う車なら、仕事に使った分だけを経費にします。
確かめる順番は、保険証券で年間の保険料と期間を見る、仕事で使った割合を記録から出す、仕訳を入れる、の3つです。この記事では、自動車保険の勘定科目と仕訳の例が分かります。
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自動車保険の勘定科目は「損害保険料」
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、「損害保険料」の例として火災保険料と自動車の損害保険料を挙げています。任意保険も自賠責保険も、この科目で処理するのが分かりやすい方法です。
『車関係はまとめて「車両費」にしている』という方もいますよね。
勘定科目の名前は、法律で一つに決まっているわけではありません。国税庁が示しているのは、決算書の科目ごとの例です。
| 車の費用 | 国税庁の決算書の例での科目 |
|---|---|
| 自動車の保険料 | 損害保険料 |
| 自動車税 | 租税公課 |
| ガソリン | 消耗品費 |
| 自動車の修理代 | 修繕費 |
| 事業用の借入金の利子 | 利子割引料 |
大事なのは、毎年同じ科目で処理することです。途中で科目を変えると、前の年と比べにくくなります。
個人事業主の車の任意保険は経費になる?
個人事業主が仕事に使う車の任意保険は、経費にできます。ただし、条件があるんです。
国税庁の「No.2210 必要経費の知識」では、仕事と家事の両方に関わる費用は、取引の記録などで仕事に直接必要だったと明らかに区分できる部分だけが必要経費になるとしています。
国税庁は、車の費用を何割まで経費にできるかという目安を出していません。割合は、走行の記録などをもとに自分で説明できる数字にしておきましょう。
年末調整や確定申告で控除はできる?
『自動車保険も保険料控除の対象?』と思う方もいるかもしれません。
日本損害保険協会の説明では、損害保険の保険料控除は地震保険料控除だけで、以前の損害保険料控除は廃止されています。自動車保険料は、控除の対象になりません。
仕事とプライベートの按分を例で計算する
ここが、いちばん迷いやすいところですよね。
家族の送り迎えや買い物にも使う車なら、保険料を仕事の分とプライベートの分に分けます。これを「按分」といいます。
- 1年間の走行距離や使った日数を記録しておく
- そのうち仕事で使った分を数える
- 仕事の分÷全体で、仕事の割合を出す
- 年間の保険料に仕事の割合をかける
- 残りはプライベートの分として、事業主貸で処理する

走行距離で分ける例
例えば、1年で8,000km走り、そのうち仕事で走ったのが4,800kmだったとします。
この場合、4,800÷8,000で仕事の割合は60%です。年間の保険料のうち60%を損害保険料、残りの40%をプライベートの分にします。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 仕事の割合 | 仕事の走行距離÷全体の走行距離 |
| 経費にする分 | 年間の保険料×仕事の割合 |
| プライベートの分 | 年間の保険料−経費にする分 |
数字は説明のための例です。割合は人によって違うので、自分の記録で出してください。
日数で分ける考え方もある
毎日の走行距離を記録していない方もいますよね。
その場合は、仕事で車を使った日数を数える方法もあります。どの方法でも、あとから聞かれた時に説明できる記録を残しておくことが大切です。
- 日ごとの行き先と用件をメモした運転日誌
- 仕事で走った日のガソリンの記録
- 取引先への訪問の予定表
- 保険証券と、保険料の払込みの記録
仕事でしか使わない車の場合
仕事でしか使わない車なら、保険料の全額を損害保険料にできます。
ただ、休日にも使っているなら按分が必要です。家族の車と兼ねていないか、もう一度振り返ってみてください。
自動車保険の仕訳の例
ここからは、個人事業主が自動車保険の経費を仕訳する例です。プライベートでも使う車として、仕事の割合で分けています。
支払った時に、仕事の分を「損害保険料」、プライベートの分を「事業主貸」にします。事業主貸は、生活費など家事の費用を事業のお金から払った時に使う科目です。
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 保険料を事業用の口座から払った | 損害保険料(仕事の分)/事業主貸(プライベートの分) | 普通預金 |
| 保険料を個人のお金で払った | 損害保険料(仕事の分) | 事業主借 |
| 月払いで毎月引き落とされた | 損害保険料(仕事の分)/事業主貸(プライベートの分) | 普通預金 |
月払いでも年払いでも、科目は同じです。払い方の違いは自動車保険の払い方|月払い・年払い・分割の違いで紹介しています。
自賠責保険料も同じ科目でいい?
車検の時に払う自賠責保険料も、自動車の損害保険料です。任意保険と同じ「損害保険料」で処理すると、あとで見返した時に分かりやすくなります。
車検の明細には、自賠責保険料・重量税・整備の代金が分かれて書かれていることが多いですよね。税金は租税公課、整備の代金は修繕費など、明細ごとに分けて入れておきましょう。
- 自賠責保険料は損害保険料(消費税は非課税)
- 重量税などの税金は租税公課
- 整備や部品の代金は修繕費など(消費税は課税)
年払いで年をまたぐ時は前払費用
年払いで、保険期間が年をまたぐこともありますよね。
この場合、翌年分の保険料を「前払費用」として資産に計上し、翌年に損害保険料へ振り替える考え方があります。1年以内の短い期間の前払いは、条件を満たせば払った年の経費にできる取り扱いもあります。
支払った年に全額を経費にできるかどうかは、毎年同じ処理を続けているかなどの条件で変わります。迷った時は税務署や税理士に確かめてみてください。
保険料が戻ってきたり、保険金を受け取ったりした時の仕訳は迷いやすいですよね。ここでは、よく使われる処理の例を紹介します。
自動車保険料が戻ってきたときの仕訳
途中解約の返金や、払いすぎた保険料の返金を受けた時の仕訳です。
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 同じ年に経費にした保険料が戻った | 普通預金 | 損害保険料(仕事の分)/事業主貸(プライベートの分) |
| 前の年に経費にした保険料が戻った | 普通預金 | 雑収入(仕事の分)/事業主借(プライベートの分) |
同じ年なら経費を減らし、前の年の分なら収入にする、という考え方です。
途中解約の返金は、残りの期間分がすべて戻るとは限りません。戻る金額は保険会社が決めた計算方法によるので、解約の手続きは自動車保険の途中解約|手続きの流れと等級・返金も見てみてください。
保険金を受取った時の仕訳
事故で車両保険の保険金を受取った時は、修理代と分けて考えます。
国税庁のタックスアンサー(損害賠償金などを受け取ったときの説明)では、損害賠償金のうち必要経費を補てんする部分は収入になると説明しています。仕事の車の修理代を修繕費にしたなら、それを埋める保険金も収入に入れる処理が一般的です。
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 修理代を払った | 修繕費 | 普通預金 |
| 保険金を受け取った | 普通預金 | 雑収入 |
保険金が何の損害に対して払われたかで、扱いが変わることがあります。車が全損になった時や、ケガの保険金を受け取った時は、税務署や税理士に確かめておくと安心です。
自動車保険に消費税はかかる?
『保険料の支払いに、消費税はかかっているの?』という疑問もよく見かけます。
結論から言うと、保険料は消費税の非課税取引です。国税庁の「No.6201 非課税となる取引」では、非課税の例に保険料を挙げています。
自動車保険の保険料は非課税なので、会計ソフトでは「非課税」の区分で入れます。消費税を納める事業者でも、保険料から消費税は控除できません。
保険金の仕訳と消費税
事故で保険金を受け取った時も、消費税は関係しません。
国税庁の「No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」では、保険金や共済金を不課税の例に挙げています。
一方で、修理工場に払う修理代には消費税がかかります。保険金は不課税、修理代は課税、と分けて入れましょう。
| 取引 | 消費税の区分 |
|---|---|
| 自動車保険の保険料の支払い | 非課税 |
| 受け取った保険金 | 不課税 |
| 修理工場への修理代の支払い | 課税 |

よくある相談:自動車保険の経費と仕訳
ここでは、知恵袋に寄せられている相談から、よく見られるものを要約して紹介します。
相談1 自動車保険料を払った時の借方は?
自動車保険料を払った時、借方の勘定科目は何にすればいいかという相談です。
国税庁の決算書の例に合わせるなら、借方は「損害保険料」です。プライベートでも使う車なら、プライベートの分は「事業主貸」にします。
毎年同じ科目を使うことが大事です。「車両費」でまとめている方は、その方法を続けても問題はないですが、保険料だけ分けておくと確認しやすくなります。
相談2 自動車保険に消費税はかかる?
自動車保険の保険料に消費税はかかるのか、という相談です。
保険料は消費税の非課税取引なので、かかりません。会計ソフトでは非課税の区分にしておきましょう。
相談3 解約の返金はどの勘定科目?
会社の車の自動車保険を見直し、解約の返金が口座に戻ってきた時の勘定科目の相談です。
「去年払った保険料が戻ってきたんですが」
「去年の経費にした分なら、今年の雑収入にする方法がありますよ」
同じ年に払った保険料なら、損害保険料を減らす処理にします。法人の車の場合は扱いが違う点もあるので、法人・社用車の自動車保険|個人契約との違いと経費も見てみてください。
車の費用を見直す時の考え方
自動車保険を経費にできても、保険料そのものが軽くなるわけではありません。
保険料や修理費の負担をきっかけに車を手放すことを考えるなら、下取りだけでなく、買取店に売る方法もあります。古い車でも値段がつくことがあるので、先に今の車の相場を知っておくと判断しやすくなります。
- 自動車保険は解約・中断証明書・車両入替のどれにするか
- 下取りの金額と買取店の査定額を比べる
- 売った代金や車の帳簿の処理を税理士に確かめる
保険の手続きは車を売ったら自動車保険はどうする?解約・中断・入替の選び方、保険料が高い理由は自動車保険が高い理由|保険料が決まる5つの要素で紹介しています。
新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく
新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。
『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。
今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。
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よくある質問
自動車保険の勘定科目は何ですか?
国税庁の決算書の例では「損害保険料」です。科目名は法律で決まってはいないので、毎年同じ科目で処理しましょう。
個人事業主の自動車保険はどこまで経費になりますか?
仕事に直接必要だったと記録などで区分できる部分だけです。プライベートでも使う車なら、走行距離や日数で按分します。
自動車保険に消費税はかかりますか?
かかりません。保険料は消費税の非課税取引で、受け取った保険金は不課税です。
自動車保険料は年末調整で控除できますか?
できません。損害保険の保険料控除は地震保険料控除だけで、自動車保険料は対象外です。
前払費用にする必要はありますか?
年払いで保険期間が年をまたぐ時は、翌年分を前払費用にする考え方があります。払った年の経費にできる取り扱いもあるので、条件は税理士などに確かめてください。
まとめ
自動車保険の勘定科目は、国税庁の決算書の例に合わせるなら「損害保険料」です。プライベートでも使う車は、記録をもとに仕事の分だけを経費にしましょう。
保険料は非課税、保険金は不課税と覚えておくと、会計ソフトでも迷いにくくなります。自動車保険全体の仕組みは自動車保険とは|任意保険の補償と選び方をやさしく解説で紹介しています。
- 自動車保険の勘定科目は「損害保険料」が分かりやすい
- 経費にできるのは、記録で仕事の分と区分できる部分だけ
- 按分は走行距離や日数で計算し、記録を残す
- 保険料は消費税の非課税、保険金は不課税
- 返金や保険金の扱いに迷ったら税理士や税務署に確かめる




