当サイトは日本損害保険協会・損害保険料率算出機構・国土交通省・金融庁など公的機関や業界団体の公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。特定の保険会社・保険商品を勧めるものではありません。補償の内容・特約・保険料・等級の扱い・手続きは保険会社や契約によって異なり、制度は改定されることがあります。実際の補償や条件は、ご契約の保険会社・代理店の約款や重要事項説明書で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。
大雨のあと、駐車場の車が水につかっているのを見て『これ、車両保険で直せるの?』と不安になっていませんか。
結論から言うと、台風や洪水、大雨による水没は、車両保険の補償の対象になることが多いです。ただし、地震や津波による水没は原則として対象外で、契約のタイプによっても扱いが変わります。
この記事では、補償されるかの見分け方から、水没の深さごとに「修理・保険・手放す」をどう考えるかまで紹介します。
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水没でも車両保険は使える?まず確かめる3つのこと
台風・洪水・高潮などによる水没は、車両保険の「偶然な事故」に含まれます。ただし、地震・噴火・津波による損害は原則として補償されません。補償を限定したタイプの車両保険では扱いが違うこともあるので、保険証券と約款で確かめてみてください。
『車両保険に入っているから、水没でも大丈夫なはず』と思っている方も多いですよね。
実は、ここで確かめたいことが3つあります。
- 車両保険が付いているか(任意保険の中で自分の車の損害を補償するのは車両保険)
- 車両保険のタイプは一般型か、補償を限定したタイプか
- 水没の原因は台風・大雨・洪水か、地震・津波か
水害で車両保険が使えるケース・使えないケース
日本損害保険協会の説明では、車両保険の「偶然な事故」に台風・洪水・高潮が含まれています。大雨による冠水や浸水で車が壊れた場合も、車両保険の補償の対象になることがあります。
| 水没の原因 | 車両保険の扱い |
|---|---|
| 台風・大雨・洪水・高潮 | 補償の対象になることが多い(契約タイプによる) |
| 道路の冠水に巻き込まれた | 補償の対象になることが多い(状況と契約による) |
| 地震・噴火・津波 | 原則として補償されない |
| 本人の故意・重大な過失 | 支払われない |
自動車保険の水害補償は、あくまで車両保険を付けている場合の話です。対人・対物などの補償だけでは、自分の車の損害は支払われません。
一般型と補償を限定したタイプの違い
車両保険には、補償の範囲が広い一般的なタイプと、範囲を絞って保険料を抑えたタイプがあります。
保険の勉強をしている方なら、一般条件の車両保険では被保険自動車が洪水で水没した場合補償の対象となる、という説明を見たことがあるかもしれません。一般型では、台風・洪水・高潮による損害は補償の対象とされています。
一方、補償を限定したタイプでは、台風・洪水・高潮が「含まれるケースもある」とされていて、保険会社や商品によって違います。
- 補償を限定したタイプでも水没は当然出ると思い込んでいた
- 地震のあとの津波による水没も車両保険で直せると思っていた
- 車両保険の有無を確かめないまま修理を頼んでしまった
タイプの違いは車両保険の一般型とエコノミー型の違い|どっちを選ぶ?で紹介しています。地震や津波のケースは地震・津波・噴火で車が壊れたら?車両保険の対象外と特約も参考にしてみてください。
水没の深さごとに「修理・保険・手放す」を考える
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
水没といっても、タイヤが少しつかっただけの場合と、車内まで水が入った場合では、考え方がまったく違います。
| 水につかった深さ | 修理の考え方 | 保険の考え方 | 手放すことも考えたい時 |
|---|---|---|---|
| タイヤの下の方まで | 点検で済むこともある | 修理費が小さければ使わない選択も | ほとんどない |
| 床下まで(車内に水は入っていない) | 点検と部品の確認が必要 | 修理費と等級への影響を比べる | 修理費が大きくなりそうな時 |
| 床上・座席の高さまで | 修理が大がかりになりやすい | 全損として扱われることもある | 修理費が車の値段を超えそうな時 |
| ダッシュボードより上 | 修理が難しいことが多い | 全損になれば協定保険価額が支払われる | 多くの場合、手放すことを考える |
表の深さは、考え方を分けるための目安です。実際にどこまで修理できるか、全損になるかは、保険会社の損害調査や整備工場の見立てで決まります。

水につかった車は、まず動かさずに相談する
『見た目は乾いたし、エンジンをかけても大丈夫かな』と思いますよね。
ただ、水につかった車は見た目が平気でも、中の部品が傷んでいることがあります。エンジンをかける前に、販売店や整備工場、保険会社に相談するのが安心です。
事故が起きた時、契約者には損害が広がらないように努める義務もあります。無理に動かして壊れた部分が広がらないよう、気をつけておきましょう。
全損になった時に支払われる金額
修理できない場合や、修理費が協定保険価額以上になる場合は、協定保険価額が支払われます。
協定保険価額は、契約の時に決めた車の値段で、同じような車を買い直す値段が目安です。全損の時は免責金額(自己負担)は差し引かれません。
| 損害の状態 | 支払われる金額 |
|---|---|
| 全損(修理できない・修理費が協定保険価額以上) | 協定保険価額(免責金額は引かない) |
| 修理できる(分損) | 修理費から免責金額などを引いた額 |
車両保険に入っていれば満額の新車代が出る、というわけではない点に注意しておきましょう。全損の考え方は車両保険で全損になったら?満額出ない理由と修理・買い替えの判断、自己負担の決め方は免責金額とは|車両保険の自己負担の決め方とおすすめ設定で紹介しています。
保険を使うと等級は1つ下がる
台風や洪水などで車両保険の保険金を受け取ると、1事故につき1等級下がるのが一般的です。
1等級ダウンの事故では、1年間「事故有」の低い割引率がかかります。修理費が小さい時は、保険を使わずに自分で払った方が負担が軽いこともあります。保険会社に翌年以降の保険料の変わり方を聞いて比べてみてください。
日本損害保険協会も、少額の保険金を請求すると、翌年以降の保険料の増加額の方が大きくなる場合があると説明しています。使うか迷ったら、修理費と保険料の差を並べて考えるのがおすすめです。
使うか迷った時に並べる3つの数字
保険を使うか迷ったら、次の3つを紙に書き出してみてください。
| 書き出す項目 | 確かめる先 |
|---|---|
| 修理の見積もり額 | 整備工場・販売店 |
| 保険を使った場合に受け取れる額(免責金額を引いた額) | 保険会社 |
| 保険を使った場合と使わない場合の翌年以降の保険料の差 | 保険会社 |
「受け取れる額」が「翌年以降の保険料の差」より大きければ、使う意味があると考えやすくなります。数字は契約ごとに違うので、自分の契約で確かめるのがいちばんです。
水没で保険を使う時の流れ
車両保険を使うと決めたら、できるだけ早く保険会社に連絡します。
損害が出たことを知ったら、遅れずに保険会社へ知らせる義務があります。正当な理由なく遅れると、その分が差し引かれることもあるので気をつけましょう。
- 契約している保険会社か代理店に、できるだけ早く連絡する
- 補償の内容と、必要な書類の案内を受ける
- 車の状態が分かる写真を撮り、書類をそろえて出す
- 保険会社の損害調査に協力する
- 支払われる保険金の説明を受け、受け取る
保険金は、原則として必要な書類がすべてそろった日から30日以内に支払われます。災害救助法が適用された地域での調査が必要な場合などは、延びることがあります。
災害の時に知っておきたいこと
大きな災害の時は、いつもと違う案内が出ることがあります。
- 損害保険の保険金の請求に、自治体の罹災証明書は原則いらない
- 保険証券をなくしても、契約内容が確かめられれば請求の案内を受けられることがある
- 災害救助法が適用された地域では、更新手続きや保険料の払い込みが猶予されることがある(期間は災害ごとに違う)
- 保険会社が分からない時は、日本損害保険協会の自然災害の契約照会の窓口(0120-501331)に問い合わせられる(災害救助法が適用された地域などが対象)
『どこの保険に入っていたか分からない』という時でも、あきらめなくて大丈夫です。日本損害保険協会の風水雪災等による損害を補償する損害保険のページにも、車両保険の扱いがまとめられています。
「保険で直せる」と近づいてくる業者に注意
災害のあとは、保険金の請求を代わりにすると言って近づく業者とのトラブルが増えています。
保険会社を名乗って電話をかけ、訪問して調査費用を求めるケースもあるそうです。保険会社が調査費用を請求することはありません。連絡は、自分の契約している保険会社や代理店に直接するようにしましょう。
車両保険に入っていないと車が水没したらどうなる?
『車両保険に入ってない…この車、どうなるの?』と青ざめている方もいるかもしれません。
任意保険の中で、自分の車の損害を補償するのは車両保険です。車両保険に入っていない場合、水没した車の修理代は自分で払うことになります。
- 自賠責保険は人身事故の賠償だけで、自分の車の修理代は出ない
- 家の火災保険では、自動車は一般に補償の対象にならない
- 対人・対物の補償だけの契約では、自分の車の損害は支払われない
車両保険に入っていない時の選び方
車両保険がない時は、次の3つから選ぶことになります。
| 選び方 | 向いている時 |
|---|---|
| 自分で修理代を払って直す | 水につかったのが浅く、修理費が小さい時 |
| 修理せずに売る | 修理費が大きく、車の値段に見合わない時 |
| 廃車にする | 修理も難しく、売り先も見つからない時 |
修理の見積もりと、今の車の値段を比べてから決めると後悔しにくくなります。
車両保険がなかったことをきっかけに、次の車では付けるか迷う方も多いはずです。車両保険の保険料の考え方は車両保険の保険料はいくら?相場と高くなる条件で紹介しています。
水没の被害はどれくらい起きている?
損害保険料率算出機構の資料では、2024年度の車両保険の支払いのうち「台風・竜巻・洪水・高潮」によるものは6,874件でした。
件数で見ると全体のごく一部ですが、大きな台風の年には一気に増えます。例えば2019年の台風第19号では、車両保険の支払件数が48,038件と公表されています(2020年3月末時点・見込みを含む)。
また、2025年3月末の時点で、任意の自動車保険で車両保険を付けている車は47.4%です。半分以上の車は、自動車保険では水没に備えていないことになります。
よくある相談:車が水没した時の車両保険の声
水没の相談の中でも、「車が水没したのに車両保険に入ってない」という相談はとても多く読まれています。ここでは、よく見られる相談を要約して紹介します。
相談1 冠水した道路を走って動けなくなった。それでも保険は出る?
冠水した道路を走っていて車が動かなくなり、そのまま置いてきた場合でも車両保険が出るのか、という相談です。
車両保険は、契約者や被保険者の過失による事故も「偶然な事故」に含みます。一方で、故意や重大な過失による損害は支払われません。
どの程度の運転が重大な過失にあたるかは、事故の状況によって判断されます。まずは保険会社に、起きたことをそのまま伝えて相談してみてください。
これからの話としては、冠水した道路にはあえて入っていかないのがいちばんです。動けなくなったら、無理に動かそうとせず、身の安全を確保してから保険会社に連絡しましょう。
相談2 豪雨で車水没、車両保険に入ってない時はどうする?
車両保険に入っていない状態で、豪雨で車が水没してしまったという相談です。
車両保険がない場合、自動車保険から自分の車の修理代は出ません。修理するか、売るか、廃車にするかを、修理の見積もりと車の値段を比べて決めることになります。
水につかった車を売る時は、冠水したことを正直に伝えましょう。伝えなかったり偽ったりすると、あとから減額や契約の解除、損害賠償を求められるおそれがあります。
相談3 水没車の車両保険、アジャスターは何を見ている?
保険会社のアジャスターと販売店の担当者と一緒に、水没した車の状態を確かめたという相談です。
アジャスターは、保険会社から頼まれて、事故で傷んだ車の損害の額や原因を調べる専門家です。保険会社が専門の調査会社に損害調査をまかせることもあります。
「どこまで水が来たか」「修理するといくらかかりそうか」などを確かめて、全損か修理かの判断につながります。気になることは、その場で遠慮なく聞いてみてください。
今の車を手放すなら保険はどうする?
水没した車を前に、『直して乗り続けるか、手放すか』で迷う方は多いですよね。
全損や水没の時は、修理か手放すかを比べるのが大切です。修理費が車の値段に近い時や、修理しても不安が残る時は、手放すことも選択肢になります。
- 修理費が車の値段に比べて小さい
- 車に思い入れがあり、同じ車を探しにくい
- 車両保険で修理費の多くをまかなえる
- 修理費が車の値段に近い、または超える
- 全損と判断された
- 修理しても、不具合が出ないか不安が残る
手放す時の自動車保険の手続き
車を手放す時は、自動車保険をどうするかを決めておく必要があります。
| 状況 | 選ぶ手続き |
|---|---|
| 水没した車の代わりに次の車を買う | 車両入替(要件あり) |
| しばらく車に乗らない | 中断証明書(条件は保険会社による) |
| もう車に乗る予定がない | 解約(自分で手続きする) |
車が全損になっても、自動車保険の契約は自動では終わりません。全損で保険金を受け取る場合、車をどう扱うかも含めて保険会社と相談しておきましょう。くわしくは車を売ったら自動車保険はどうする?解約・中断・入替の選び方で紹介しています。
水没車の自動車保険は自動では終わらない
水没車を手放しても、自動車保険の契約がそのまま残っていることがあります。
車が全損になっても、人身傷害保険や他の車を運転する時の補償などが残る場合があるため、契約は自動では終わらない扱いなんです。車がなくなって補償が要らないなら、自分で解約の手続きをします。
- 水没車の車両保険の請求をするか、した場合の車の扱い
- 次の車への車両入替ができるか、その期限
- 中断証明書を取れる条件に当てはまるか
- 分割払いの場合、残りの保険料がどうなるか
分割払いの契約は、車が全損になっても保険料を払い終わるまで引き落としが続くことがあります。手続きを先送りにしないよう、早めに相談しておきましょう。
売り先は下取りだけではない
手放す時は、下取りに出すだけでなく、買取店に売る方法もあります。
車の状態や部品としての価値など、店によって見るところが違うので、水没した車や古い車でも値段がつくことがあります。複数の店の査定額を比べると、相場が分かって判断しやすくなります。
名義変更などの手続きは店が代わりに進めることが多いですが、どこまでしてくれるかは店ごとに違います。売る前に確かめておきましょう。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく
新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。
『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。
今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。
納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。
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ポイントは「今の車をどう手放すか」です。
多くの人は、新しい車を買うお店でそのまま下取りに出します。でもこれは、損をしやすい典型的なパターンなんです。
販売店も商売なので、下取りはできるだけ安く引き取りたいのが本音です。
- まず、控えめな下取り額を提示される
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ただ、最初の金額には上げる余地が残してあることも多く、上がった後の金額でも、まだ本当の価値より安いことがあります。
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よくある質問
台風で車が水没しました。車両保険は使えますか?
台風・洪水・高潮による水没は、車両保険の補償の対象になることが多いです。ただし、補償を限定したタイプでは扱いが違うことがあるので、保険証券と約款を確かめ、保険会社に相談してください。
津波で水没した車は車両保険で補償されますか?
地震・噴火・津波による損害は、車両保険では原則として補償されません。一定の条件で一定額を支払う特約を扱う保険会社もありますが、金額や条件は保険会社・商品によって違います。
水没で車両保険を使うと、等級は下がりますか?
台風や洪水などで車両保険の保険金を受け取った場合は、1事故につき1等級下がるのが一般的です。1年間は「事故有」の低い割引率がかかります。
水没で全損になったら、いくら支払われますか?
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車両保険に入っていない場合、水没した車はどうなりますか?
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まとめ
台風や洪水、大雨による水没は、車両保険の補償の対象になることが多いです。地震や津波による水没は原則として対象外なので、原因と契約のタイプをまず確かめてみてください。
台風・雹・雪のケースは台風・雹・雪で車が壊れたら車両保険は使える?、自動車保険全体の仕組みは自動車保険とは|任意保険の補償と選び方をやさしく解説で紹介しています。
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