雹害・台風・雪で車が壊れたら車両保険は使える?

雹が降ったあとの車と盾のマークに「雹害と車両保険」の文字

当サイトは日本損害保険協会・損害保険料率算出機構・国土交通省・金融庁など公的機関や業界団体の公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。特定の保険会社・保険商品を勧めるものではありません。補償の内容・特約・保険料・等級の扱い・手続きは保険会社や契約によって異なり、制度は改定されることがあります。実際の補償や条件は、ご契約の保険会社・代理店の約款や重要事項説明書で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

朝起きたら車の屋根やボンネットが雹でボコボコに。台風のあとに飛んできた物で傷だらけ。

そんな時、まず頭に浮かぶのは「この雹害、車両保険で直せるの?」ですよね。

結論から言うと、車両保険を付けていれば、台風や洪水などの風水災の損害は補償の対象になるのが基本です。雹や雪も、実際に車両保険から多くの保険金が支払われています。

ただし、契約のタイプによっては支払われないこともありますし、地震・噴火・津波は対象外です。この記事では、災害の種類ごとの補償と等級の動き方、請求前に確かめる順番をお伝えしますね。

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目次

雹害・台風で車両保険は使える?先に結論

先に結論

車両保険は、車が「偶然な事故」で損害を受けた時に保険金が出る保険です。その中には台風・洪水・高潮、物の飛来や落下も含まれます。ただし契約タイプや保険会社によって範囲が違うので、まず保険証券で車両保険の有無とタイプを見てみてください。

『自動車保険に入っているから、天災でも大丈夫だよね?』と思っている方も多いはずです。

実は、自分の車の損害を補償するのは、自動車保険の中でも「車両保険」だけなんです。対人・対物の賠償や自賠責保険では、自分の車の修理代は出ません。

日本損害保険協会の案内でも、車両保険を付けていると台風や洪水などの風水災で受けた損害に保険金が支払われる、と説明されています。同時に「契約タイプによっては保険金が支払われないことがある」とも書かれています。

雹(ひょう)は補償される?

雹の被害が車両保険で補償されると、はっきり言葉で書いた公的なページは、この記事を作る時点で見つかりませんでした。

ただ、2024年4月16日に兵庫県を中心に降った雹では、車両保険の支払件数が79,468件、支払保険金はおよそ314億円と日本損害保険協会が公表しています(2024年5月31日現在・見込みを含む)。実際に車両保険から多くの雹害の保険金が支払われている、ということです。

補足

車両保険の支払統計では、雹や飛来物・落下物との衝突などは「その他」に入る区分になっています。自動車保険で雹被害がどう扱われるかの細かな条件は、約款と保険会社で確かめておきましょう。

そもそも車両保険を付けている人はどのくらい?

損害保険料率算出機構の統計では、自動車保険の車両保険の普及率は全国で47.4%です(2025年3月末・共済を除く)。

つまり、車を持っている人のおよそ半分は車両保険を付けていない計算です。『付けていたつもりだった』ということもあるので、被害が出る前に一度、証券を見ておくと安心ですよ。

確かめる順番はこの3つ

被害に気づいたら、次の順番で確認すると迷いません。

被害に気づいたら確かめる順番
  1. 保険証券で車両保険が付いているか、一般型か限定型かを見る
  2. 被害の写真を撮り、保険会社か代理店に連絡する
  3. 修理の見積もりをとり、保険を使うかを等級の動きと合わせて決める

全体の補償の仕組みは自動車保険とはで、車両保険そのものは車両保険とはでまとめています。

自然災害ごとに見る補償と等級の動き方

ここが大事なところです

同じ「天災」でも、台風や洪水と、地震・噴火・津波とでは扱いがまったく違います。等級の下がり方も、事故の種類で変わります。

自動車保険で自然災害の補償を考える時は、災害の種類ごとに分けて見るのが分かりやすいですよ。この記事では次のように分けてみました。

災害の種類車両保険の補償等級への影響(保険金を受け取った場合)
台風・洪水・高潮偶然な事故として対象(契約タイプによる)1等級ダウン事故の例として挙がっている
台風で飛んできた看板・枝物の飛来として対象(契約タイプによる)保険会社に確認(落下物との衝突は1等級ダウンの例)
雹(ひょう)支払実績あり(契約タイプによる)保険会社に確認
雪の重み・落雪契約・保険会社による保険会社に確認
竜巻統計では台風と同じ区分(契約による)保険会社に確認
地震・噴火・津波対象外(特約で一定額の会社もある)特約の扱いは保険会社に確認

日本損害保険協会のQ&Aでは、盗難や台風、洪水、高潮などで車両保険の保険金を受け取った場合は、1事故につき1等級下がると説明されています。損害保険料率算出機構の資料では、火災や落下物との衝突も1等級ダウンの例に挙がっています。

1等級ダウンと3等級ダウンの違い

1等級ダウン事故だと、翌年の等級が1つ下がり、1年間は「事故有」の低い割引率が使われます。

一方、ぶつけた・こすったなどの事故は3等級下がり、3年間「事故有」の割引率になるのが基本です。

1等級ダウン事故
  • 等級が1つ下がる
  • 事故有の割引率は1年間
  • 台風・洪水・高潮・盗難などが例
3等級ダウン事故
  • 等級が3つ下がる
  • 事故有の割引率は3年間
  • 衝突・接触などの一般的な事故

雹や雪、竜巻の被害がどちらで扱われるかは、保険会社によって違う可能性があります。請求の前に「この被害で保険を使うと、等級はいくつ下がりますか」と聞いておくと安心です。

自然災害の種類ごとに車両保険の補償と等級への影響をまとめた図解

一般型と限定型で天災補償はどう違う?

先に結論

補償を絞った限定型(エコノミー型)でも台風・洪水・高潮が対象になっている商品は多いですが、雹・雪・竜巻まで対象かは公的な資料では確認できません。自分の契約の約款で確かめるのが一番確実です。

『安いタイプの車両保険にしてるけど、天災は大丈夫かな…』と不安になりますよね。

日本損害保険協会の比較表(例)では、一般的な車両保険も、限定型の一つも、台風・洪水・高潮には○が付いています。ただ、同協会のQ&Aでは、限定型で台風や物の飛来が含まれるかは「保険会社によって含まれるケースもある」という書き方です。

確認すること見る場所
車両保険が付いているか保険証券の補償内容の欄
一般型か限定型か保険証券の車両保険の種類
免責金額(自己負担)はいくらか保険証券の車両保険の欄
台風・雹・雪が対象か約款・重要事項説明書、保険会社への問い合わせ

限定型と一般型の違いは車両保険の一般型とエコノミー型の違いでくわしく比べています。

よくある失敗

「車両保険に入っているから全部出る」と思い込み、自分の契約タイプや免責金額を見ないまま修理を進めてしまうこと。修理の前に保険会社へ連絡しておきましょう。

雹害・台風被害の請求で気をつけたいこと

ここが大事なところです

被害に気づいたら、できるだけ早く保険会社に連絡するのが基本です。連絡が遅れると、その分を差し引かれることがあります。

損害が起きたことを知ったら、遅滞なく保険会社に知らせる義務があります(保険法)。正当な理由なく知らせなかった場合、約款で損害額から差し引くと定めるのが一般的です。

請求の流れ

日本損害保険協会が案内している流れは、おおむね次のとおりです。

保険金の請求の流れ
  1. 契約している保険会社か代理店に事故の連絡をする
  2. 補償内容と流れの説明、必要書類の案内を受ける
  3. 必要書類を出す
  4. 損害の調査に協力する
  5. 支払われる保険金の説明を受ける

保険金の支払いは、原則として必要書類がすべてそろった日から30日以内です。ただし災害救助法が適用された地域の調査などが必要な時は延びることがあります。

災害のあとに注意したいこと

大きな台風や雹のあとは、保険を口実にした業者とのトラブルも起きやすくなります。

災害後のチェック
  • 保険会社を名乗る電話で調査費用を求められても払わない(保険会社が調査費用を請求することはない)
  • 「保険で直せる」と勧誘する業者にすぐ契約しない
  • 損害保険の請求に罹災証明書は原則いらない
  • 被害がこれ以上広がらないよう、できる範囲で手を打つ

なお、家の火災保険には「風災・雹災・雪災」の補償がありますが、自動車は家財の保険の対象にならないのが一般的です。車の損害は自動車保険の車両保険で考えます。

雹害の車両保険についての知恵袋によくある相談

先に結論

雹害の相談で特に多く読まれているのは、「保険会社の査定額がディーラーの見積もりより低い」「修理せずに保険金を受け取れるか」の2つです。

ここでは、知恵袋で多く読まれている相談を要約して紹介します。

「保険会社の査定額が、修理の見積もりよりかなり低い」

雹害で修理の見積もりをとったら、保険会社から提示された額がずっと低かった、という相談です。とても多く読まれています。

保険会社は、アジャスターと呼ばれる専門家などに損害額を調べてもらって支払額を決めます。修理工場の見積もりがそのまま保険金になるとは限りません。

『納得できないけど、どうすれば…』という時は、まず金額の差がどの作業から生まれているのか、内訳を説明してもらってみてください。

それでも話がまとまらない時は、日本損害保険協会の「そんぽADRセンター」に相談する方法もあります。

「修理せずに保険金だけ受け取れる?」

雹で車体がへこんだけれど、修理はせずにお金で受け取りたい、という相談も目立ちます。

修理しない場合にどう支払われるかは、保険会社・契約によって違います。請求の前に「修理しない場合の支払いの扱い」を保険会社に聞いておきましょう。

「天災で保険を使ったら保険料は上がる?」

台風や雹で保険を使うと翌年の保険料が上がるのか、という相談です。

台風・洪水・高潮などは1等級ダウン事故の例です。保険金を受け取ると等級が1つ下がり、1年間は事故有の割引率になるので、保険料は上がるのが基本です。

少ない額の修理だと、翌年以降の保険料の増え方のほうが大きくなる場合もあります。修理費と保険料の差の比べ方は保険を使う・使わないの計算を参考にしてみてください。

修理か手放すかで迷ったら

先に結論

雹害や台風で修理費が大きくなった時は、保険を使って直すか、そのまま乗るか、車を手放すかを並べて考えると決めやすくなります。

『修理費も高いし、保険料も上がるし、いっそ乗り換えようかな』と考える方もいるはずです。

修理費や保険料の負担をきっかけに車を手放すなら、下取りだけでなく買取店に売る方法もあります。年式が古い車や傷のある車でも値段がつくことがあるので、先に今の車の相場を知っておくと判断しやすいですよ。

選び方向いている状況先に確かめること
保険を使って直す修理費が大きく、まだ長く乗りたい等級がいくつ下がるか、免責金額
保険を使わず直す修理費が少ない翌年以降の保険料の増え方
直さず乗り続ける見た目の傷だけで走行に問題がない修理しない場合の保険金の扱い
手放す修理費が車の価値に近い今の車の相場、保険の手続き

手放す時は、自動車保険を解約するか、中断証明書をとって等級を残すか、次の車に車両入替するかも決めておきましょう。手続きの選び方は車を売ったら自動車保険はどうする?でまとめています。

雹害で修理するか手放すかを決めるまでの手順をまとめた図解

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。

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ポイントは「今の車をどう手放すか」です。

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販売店も商売なので、下取りはできるだけ安く引き取りたいのが本音です。

下取りの商談でよくある流れ
  • まず、控えめな下取り額を提示される
  • 「がんばって、ここまで上げました!」と金額が上がる

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よくある質問

雹害は車両保険の対象になりますか?

雹害を明記した公的なページは見当たりませんが、2024年の降雹では車両保険から多くの保険金が支払われています。限定型で対象になるかは契約によるので、約款と保険会社で確かめてください。

台風で車が壊れたら自動車保険の等級は下がりますか?

台風・洪水・高潮などで車両保険の保険金を受け取ると、1事故につき1等級下がるのが基本です。1年間は事故有の割引率が使われます。

竜巻や雪害も自動車保険で補償されますか?

車両保険を付けていれば補償される場合がありますが、範囲は契約タイプや保険会社によって違います。被害に気づいたら保険会社に連絡して確かめてみてください。

地震で車が壊れた場合も車両保険は使えますか?

地震・噴火・津波による損害は車両保険の対象外です。一部の保険会社には一定額を支払う特約があります。くわしくは地震・津波で車が壊れたらをご覧ください。

まとめ

この記事の要点
  • 自分の車の天災被害を補償するのは、自動車保険の中で車両保険だけ
  • 台風・洪水・高潮、物の飛来や落下は車両保険の対象になるのが基本
  • 雹害は車両保険からの支払実績があるが、限定型での扱いは契約で確かめる
  • 台風などで保険金を受け取ると1等級ダウン、1年間は事故有の割引率
  • 地震・噴火・津波は対象外で、特約がある会社もある
  • 修理費が大きい時は、直す・乗り続ける・手放すを並べて考える
自動車保険ナビ

自動車保険ナビ 編集部

自動車保険(任意保険)の補償と特約、等級の仕組み、保険料の決まり方、見積もりと乗り換え、事故の時の流れ、車を買い替える・売る・手放す時の保険の扱いまで、公的機関や業界団体の公開情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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