当サイトは日本損害保険協会・損害保険料率算出機構・国土交通省・金融庁など公的機関や業界団体の公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。特定の保険会社・保険商品を勧めるものではありません。補償の内容・特約・保険料・等級の扱い・手続きは保険会社や契約によって異なり、制度は改定されることがあります。実際の補償や条件は、ご契約の保険会社・代理店の約款や重要事項説明書で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。
保険証券を見ていたら「無保険車傷害」「自損事故」という見慣れない補償が並んでいた。これって何に使うの?と気になりますよね。
結論から言うと、自動車保険の無保険車特約(無保険車傷害)は、相手が十分な保険に入っていない事故で自分や家族が亡くなったり後遺障害を負ったりした時の補償です。自損事故傷害は、相手のいない事故などで自分がケガをした時の補償です。
どちらも人身傷害と役割が重なるので、確かめる順番は、まず証券で人身傷害の有無を見る、次に無保険車・自損の欄を見る、迷ったら保険会社に聞く、です。
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自動車保険の無保険車傷害とは?
無保険車傷害保険は、相手の車に対人賠償の保険がない、または足りない事故で、死亡または後遺障害を被った時に支払われる補償です。ケガの治療費だけのケースは対象外です。
『相手が保険に入っていないなんて、そんなにあるの?』と思う方もいるはずです。
損害保険料率算出機構の資料では、2025年3月末の任意の自動車保険の対人賠償の普及率は75.4%です。共済を合わせると88.6%なので、単純に考えると、1割ほどの車には任意の対人賠償の備えがない計算です。
日本損害保険協会によると、無保険車傷害でいう「無保険自動車」には次のような車が入ります。
| 無保険自動車の例 | どういう状態か |
|---|---|
| 対人賠償を契約していない車 | 自賠責だけで、任意保険の対人賠償がない |
| 対人賠償が使えない車 | 年齢条件に合わない人が運転していたなど |
| 対人賠償の保険金額が低い車 | 相手の保険金額が、自分の無保険車傷害の保険金額より低い |
| 相手が分からない車 | あて逃げなどで相手が不明 |

例えばこんな場面で関わります
相手の車が、年齢条件に合わない若い家族に運転されていて、相手の対人賠償が使えなかった。こういう事故も、相手は「無保険自動車」として扱われることがあります。
相手が任意保険に入っているつもりでも、条件から外れていれば支払われないこともあるんです。
「相手は保険に入っているって言っていたのに」
「条件に合わなくて使えない、と相手の保険会社から言われたみたい」
こんな時に、自分の契約の無保険車傷害や人身傷害が頼りになります。
支払われない主な場合
無保険車傷害でも、支払われない場合があります。日本損害保険協会が挙げている主な例は次のとおりです。
- 故意による事故
- 無免許運転や酒酔い運転などの時の事故
- 地震・噴火・津波、台風・洪水・高潮による事故
- 賠償する相手が、自分の父母・配偶者・子などの場合
細かい条件は約款に書かれています。自分の契約で何が対象外になるかは、約款の「保険金を支払わない場合」の欄で見ておきましょう。
自損事故傷害とは?相手がいない事故の補償
自損事故保険は、電柱にぶつかった、崖から落ちたなどの単独事故で、自賠責や人身傷害から補償を受けられない時に支払われる補償です。
『自賠責があるから、自分のケガも出るんじゃないの?』と思いがちですよね。
実は、自賠責は相手を補償する保険なので、単独事故で運転者自身がケガをしても支払われません。そこを埋めるのが自損事故保険です。
日本損害保険協会によると、相手がいる事故でも、相手が完全に無過失とされた場合は「自損事故」として補償の対象になります。例として、居眠りでセンターラインを越えて対向車と正面衝突した場合が挙げられています。
| 保険金の種類 | 内容 |
|---|---|
| 死亡保険金 | 亡くなった時 |
| 後遺障害保険金 | 後遺障害が残った時 |
| 介護費用保険金 | 介護が必要な後遺障害の時 |
| 医療保険金 | 治療が必要な時 |
金額は契約で決まっている定額の考え方で、具体的な額は保険会社・契約によって違います。
自損事故保険は、人身傷害保険から支払いがある時は受け取れません。自損事故の補償を人身傷害に含めて販売している保険会社もあります。
相手が無保険・相手がいない事故で使える補償の一覧
どの補償が使えるかは「相手がいるか」「相手に保険があるか」「人身傷害に入っているか」で変わります。事故の形ごとに並べると、自分の契約の穴が見えてきます。
ここでは、人のケガに関わる補償を、事故の形ごとに並べてみました。車の修理は車両保険の話なので、別に考えてください。
| 事故の形 | 人身傷害がある契約 | 人身傷害がない契約 |
|---|---|---|
| 相手に任意保険がある | 人身傷害で先に受け取れる。相手の対人賠償も請求できる | 相手の自賠責・対人賠償に請求する |
| 相手が自賠責だけ | 人身傷害で受け取る | 相手の自賠責に請求し、死亡・後遺障害は無保険車傷害も |
| 相手が分からない(ひき逃げなど) | 人身傷害で受け取る | 無保険車傷害(死亡・後遺障害)や政府保障事業 |
| 単独事故 | 人身傷害で受け取る | 自損事故保険 |
| 相手が完全に無過失とされた事故 | 人身傷害で受け取る | 自損事故保険 |
『人身傷害があれば、無保険車も自損も要らないの?』と思いますよね。
日本損害保険協会によると、無保険車傷害は、人身傷害から支払いを受けられない場合や、自賠責と無保険車傷害の合計が人身傷害の保険金額より多い場合などに支払われます。人身傷害とは「重なりつつ、足りない所を埋める」関係なんです。
1つの事故で、いくつもの補償が動く
例えばこんな場面です。雪道でスリップしてガードレールにぶつかり、運転していた人と助手席の家族がケガをしたとします。
この時は、人のケガ、壊したガードレール、自分の車がそれぞれ別の補償の話になります。
| 損害 | 主に使う補償 | ポイント |
|---|---|---|
| 運転者・家族のケガ | 人身傷害、なければ自損事故保険 | 単独事故なので自賠責は使えない |
| 同乗者のケガ(定額の上乗せ) | 搭乗者傷害 | 契約していれば、ほかの補償とは別に支払われる |
| ガードレール | 対物賠償 | 他人の財物を壊した賠償 |
| 自分の車 | 車両保険 | 単独事故を補償しない契約タイプもある |
『ケガの補償だけ見ていた』という方は、物の損害の補償と分けて考えてみてください。どこに穴があるかが分かりやすくなります。
政府保障事業も知っておく
ひき逃げや、相手が自賠責にも入っていない人身事故では、国の政府保障事業に請求できます。物損は対象外で、健康保険などの給付は差し引かれます。
請求できるのは被害者だけで、請求期限は3年です。自分の任意保険とは別の制度なので、事故の時に保険会社や相談窓口で聞いてみてください。

証券で確かめる順番と、見直しのポイント
証券に「自損・無保険車傷害」とまとめて書かれていることもあります。人身傷害の有無と補償される人の範囲を見れば、自分の契約で足りているかが分かります。
『証券のどこを見ればいいか分からない』という方のために、順番をまとめました。
- 人身傷害保険が付いているか、保険金額はいくらかを見る
- 人身傷害の補償が、契約の車に乗っている時だけか、歩行中や他の車も含むかを見る
- 無保険車傷害と自損事故の欄を見る。人身傷害に含まれている契約もある
- 補償される人の範囲(記名被保険者・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子など)を見る
- 分からない所は、保険会社に「相手が無保険だったら何が出るか」と聞く
家族それぞれが車を持っている家庭では、補償される人の範囲が重なっていることもあります。日本損害保険協会も、家族が人身傷害を契約していないか確かめるよう案内しています。誰の契約で誰が守られているかを、家族で一度見比べてみてください。
人身傷害は、相手との過失割合で減らされずに、約款の基準で計算した損害額を自分の保険会社から受け取れる補償です。補償の範囲を歩行中や他の車まで広げた契約もあります。
人身傷害と搭乗者傷害の違いは人身傷害保険とはで、借りた車を運転する時の補償は他車運転特約とはでくわしく紹介しています。
保険料を下げようとして人身傷害を外し、無保険車傷害や自損事故の補償だけが残っていることに気づかないケースです。外した時に何が残るかを、保険会社に確かめてから見直しましょう。
無保険車特約・自損事故についてよくある相談
「人身傷害でカバーできるって本当?」「相手が自賠責に入っていない時しか使えない?」「ひき逃げは補償されない?」という相談がよく読まれています。
知恵袋で多く読まれている相談を、要約して紹介しますね。
「無保険車傷害は対人で、自損事故は人身傷害でカバーできるって本当?」
半分は誤解です。無保険車傷害は、相手の対人賠償ではなく、自分の契約から自分や家族に支払われる補償です。
自損事故保険は、人身傷害から支払いがあれば受け取れないので、人身傷害がある契約では出番が少なくなります。ただ、人身傷害が付いていない契約では、単独事故の自分のケガを補う大事な補償です。
「無保険特約は、相手が自賠責に入っていない時しか使えないの?」
いいえ、そうとは限りません。日本損害保険協会の説明では、相手が自賠責に入っていても任意の対人賠償がない車や、対人賠償の金額が低い車も「無保険自動車」に入ります。
ただし、支払われるのは死亡または後遺障害の場合に限られます。ケガの治療費は、人身傷害や相手の自賠責で考えることになります。
「ぶつけられて逃げられたら、保険はおりないの?」
相手が分からない事故でも、自分の契約で使える補償はあります。人のケガなら人身傷害、死亡・後遺障害なら無保険車傷害、車の修理なら車両保険の契約タイプしだいです。
「相手が分からないと、何も出ないんでしょうか」
「ケガの補償は人身傷害から出る場合があります。まず警察への届け出をお願いします」
まずは警察に届け出てください。日本損害保険協会によると、警察に報告しないと交通事故証明書が交付されず、保険金の請求に必要な書類がそろいません。
補償の見直しをきっかけに、車のこれからも考える
補償を見直すと、保険料と車の価値のつり合いが気になることもあります。手放す選択肢と、その時の保険の手続きも頭に入れておきましょう。
『補償を削らないと保険料がきつい』と感じることもありますよね。
保険料や修理費の負担をきっかけに車を手放すことを考えるなら、下取りだけでなく買取店に売る方法もあります。古い車でも値段がつくことがあるので、先に今の車の相場を知っておくと判断しやすくなります。
手放す時は、保険を解約するか、中断証明書で等級を残すか、次の車に車両入替をするかも決めておきましょう。くわしくは車を売ったら自動車保険はどうする?で紹介しています。
新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく
新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。
『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。
今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。
納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。
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これが、車の買い替えで損をするか、得をするかの分かれ目になります。
すでに調べ尽くしている方は「知ってるよ」と思うかもしれません。でも、ピンと来なかった方は、ここだけは最後まで読んでみてください。
ポイントは「今の車をどう手放すか」です。
多くの人は、新しい車を買うお店でそのまま下取りに出します。でもこれは、損をしやすい典型的なパターンなんです。
販売店も商売なので、下取りはできるだけ安く引き取りたいのが本音です。
- まず、控えめな下取り額を提示される
- 「がんばって、ここまで上げました!」と金額が上がる
金額が上がると、サービスしてもらったように感じますよね。
ただ、最初の金額には上げる余地が残してあることも多く、上がった後の金額でも、まだ本当の価値より安いことがあります。
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よくある質問
自動車保険の無保険車傷害とは何ですか?
相手の車に対人賠償の保険がない、または足りない事故で、死亡または後遺障害を被った時に、自分の契約から支払われる補償です。
無保険車傷害でケガの治療費は出ますか?
無保険車傷害は死亡と後遺障害に限られます。治療費は、人身傷害や相手の自賠責などで考えることになります。
人身傷害に入っていれば自損事故保険は要りませんか?
人身傷害から支払いがある時は、自損事故保険からは受け取れません。自損事故の補償を人身傷害に含めている保険会社もあるので、契約の中身を確かめてください。
搭乗者傷害と無保険車傷害は、どちらか一方しか出ませんか?
日本損害保険協会によると、搭乗者傷害は、人身傷害・無保険車傷害・自損事故の対象になる場合でも、それとは別に支払われます。契約していれば、あらかじめ決めた額が上乗せされるイメージです。
証券に「自損・無保険車傷害」と書いてありますが、外せますか?
外せるかどうかは保険会社・契約によって違います。外す前に、人身傷害でどこまでカバーされるかを保険会社に確かめておくと安心です。
まとめ
- 無保険車傷害は、相手の保険がない・足りない事故の死亡・後遺障害の補償
- 自損事故保険は、単独事故などで自賠責や人身傷害から補償を受けられない時の補償
- 人身傷害から支払いがあれば、自損事故保険からは受け取れない
- ひき逃げや自賠責のない相手との人身事故は、政府保障事業もある
- 見直す時は人身傷害の有無と補償される人の範囲から確かめる




